北爪通夫氏への委嘱曲


    題名 :「遊び歌集」

       編成  :バリトン、ピアノ


北爪通夫氏プログラムノート(無断転載厳禁)

 

 現代の話し言葉は汚れているとはいえ、日本語は発音そのものが固有でありまたリズムの偏平さも独特の性格を保っています。私は日本語を愛しています。それは、意味内容の解釈にたち入るまでもなく、響きそのものの美しさ、面白さによって、発音の存在感が浮き彫りになる、そんな次元からなのです。  

 この作品、響きの片寄りをもたせるために歌詞は私自身で構成したものです。「小猫」は回文で早口ことばの性格を併せもっています。「無理問答」はあ行の問答、現代のダジャレよりもコミックです。「ことわざと」では、諺とともに広告コピーの断片が使われます。「廻る歌」は再び回文、廻る俳句を更に連らねた春先の移る風景です。




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