「春立つと」


②混声合唱と日本の横笛のための「春立つと」 (no.101、1989) 曲:柴田南雄/詩:梁塵秘抄より


Ⅰ.そよ 春立つと 

Ⅱ.春の初の歌枕 

Ⅲ.峰の花折る小大徳 

Ⅳ.忉利の都の鶯は 

Ⅴ.何時しかと 

Ⅵ.そよ 春立つと(第1曲の繰り返し)

【解説】「春立つと」全音楽譜出版社 1990年刊より


混声合唱と日本の横笛のための、 「梁塵秘抄」を歌詞とする組曲「春立つと」は、 大阪の混声合唱団 「ローレル・エコー」 のために作曲した曲で、 1989年6月14日着手、 同年12月9日に最後の曲の作曲を終えました。

1990年9月24日、 大阪厚生年金会館中ホールでの同団の第6回定期演奏会において、 田中信昭さんの指渾、 藤井恭恵氏の笛による初演が予定されております。

なお、 「春立つと」 は5曲から成っていますが、 「そよ」のモチーフのある第1曲を、 最後にくりかえし演奏する、というのが当初からの構想でした。

わたくしは1988年に東京の「桜楓合唱団」のために、やはり田中信昭さんからご依頼を受けて、「梁塵秘抄」の歌詞による女声合唱と筆のための、7曲から成る組曲「秋来ぬと」を作曲しました。

この「そよ 秋来ぬと」の歌詞にはじまる前作と、「そよ 春立つと」にはじまるこの作品とは、 いわば姉妹作の関係にあり、 「そよ」のモチーフ(旋律の形)は両者に共通のものです。

柴田南雄