プログラムノート 寺嶋陸也 ヨーロッパ人がたどり着き、そこをインドだと思ったところから誤って「インディアン」や「インディオ」と呼ばれるようになったアメリカ大陸の先住民族には、多様な文化があり、ヨーロッパや、ヨーロッパから渡ってきた人たちが建国したアメリカの人たちとはかなり異なった価値観をもっている。 |
シアターピース「水になった若者の歌」・・・チラシ原稿 客演指揮:西岡茂樹 「アメリカ・インディアンの口承詩〜魔法としての言葉〜」という一冊の本がある。文学者の金関寿夫氏がインディアン(ネイティブ・アメリカン)の口承詩を翻訳されたものである。一読しただけで圧倒され、胸が熱くなり、そして近代文明により私たちが失ったものの大きさを痛感させられる。アメリカの覇権がグローバライゼーションという波で世界を覆いつつある今、まさにその足元に、かくも豊饒な生命力に漲った世界観が息づいているとは、なんと皮肉なことだろう。寺嶋陸也さんは、この本の中から「水」のシャーマンになった若者の物語を中心に据えて、一幕のシアターピースを作曲された。文字を持たない彼らの口承詩は、寺嶋さんの音楽の力によって、その始原の姿を垣間見せてくれる。昨年の定期で演奏した柴田南雄作曲「無限廣野」に続く阪混シアターピース第2段。言葉と音と身体表現の美しい合一を目指して。慶應義塾大学楽友会の2004年度委嘱曲であり、今回が関西初演。乞うご期待! |
寺嶋音楽により始原の姿をみせるインディアンの口承詩・・・プログラムノート 西岡茂樹 《水になった若者の歌》は、慶應義塾大学混声合唱団楽友会の委嘱により作曲され、2004年に初演、続いて2005年には作曲者自身の指揮により、シアターピース形式で再演されている。 |