関西の大学生から平和の歌を発信しよう

 

オラトリオ「鳥の歌」参加者急募!

 

今年は終戦から60年になります。20世紀は戦争の世紀と言われますが、世界中を巻き込んだ第二次世界大戦が終結し、人々は二度とこのような悲惨な戦争は起こしてはならない、と誓ったはずにもかかわらず、今も世界中で戦火に苦しむ人々がたくさんいます。

しかしながら、日本を含む先進諸国においては先の大戦の風化が進み、若い世代における戦争への無関心、無知が懸念されています。先頃も、イギリスのヘンリー皇太子がナチの軍服を着て物議をかもしましたが、なんとイギリスの若者はアウシュビッツについて60%の人が「聞いたことがない」と答えているそうです。このような状況で、唯一の被爆国に生きる私達にできることはないでしょうか?今も争いに巻き込まれ、夜も安心して眠れない人たちが地球上にはたくさんいます。

実は関西では、毎年8月に、いずみホールに有志の音楽家が集まり、音楽による平和へのメッセージを発信してきたそうです。そして今年は60周年として、広島に原爆が投下された8月6日に「八月の祈り」と題するコンサートが開催されます。そのメインプログラムとして、関西在住の作曲家、尾上和彦先生の作曲によるオラトリオ「鳥の歌」を演奏するという企画が検討されています。この曲は、広島原爆の悲惨と未来への祈りを歌った40分ほどの曲で、混声4部+児童2部+ソリスト+パイプオルガン+打楽器という編成です。これまでに幾度も大阪や広島で演奏され続けてきました。

そして今年、この企画に関わっておられる合唱指揮者の西岡茂樹先生から、「これまで一般の合唱団が中心で歌ってきたが、未来を担う若者達にこそ、是非、このような企画に参画してほしい」とのお話がありました。西岡先生は昨年度の関西学生混声合唱連盟(関混連)の合同ステージで三善晃先生の「蜜蜂と鯨たちに捧げる譚詩」を指揮していただきましたが、『地球上の人間同士の共存、人間と自然の共存』を願うこの曲に取り組んだ成果をたいへん評価してくださり、私たちに声をかけてくださったのです。

当初は関混連の現役の皆さんで検討してもらいましたが、やはり6月の関混連定演があり、その後も各団のジョイントコンサートなどがある関係で、関混連としてお受けするのは難しいということになりました。ですが、私たちはこの企画がとても意義深く、無かった事にしてしまうのは残念であると思い、それならば関混連加盟大学に限らず、関西の大学合唱団の「有志」として合同合唱団を作ってみようということになりました。

大人の合唱団も20名程度参加されるということなので、大学有志合唱団としては60名〜80名が集まれば実現可能とのことです。関西の大学合唱団の皆さん、8月6日に、関西の大学生から平和の歌声を世界中の人々に届けてみませんか?一人一人の力は小さくても、皆が協力すれば可能性は無限に広がると思います。

下記の通り、参加者を募集いたしますので、奮ってご参加くださいますよう、お誘い申し上げます。

 

2005年3月吉日

 

「鳥の歌」を歌う大学生の会

発起人 竹森美穂(前・関混連理事長、関西学院大学混声合唱団エゴラド)

丸橋 綾(前・関混連技術委員長、関西大学混声合唱団ひびき)

 

 

テキスト ボックス: オラトリオ「鳥の歌」
 T 黒い雨     … 原爆投下後に降った黒い雨をプロローグとして歌う
 U 廃墟の中で   … 原爆の炸裂と広島の破壊を歌う
 V 生き残った私は … 一転して静寂の中での虚脱を歌う
(W 死んだ少女 混声合唱はなし) … 死んだ少女の言葉を児童合唱が歌う
(X 哀れな地球 混声合唱はなし) … 原民喜の詩による哀悼歌
 Y 警鐘      … 同じ過ちを繰り返そうとするその後の世界への警鐘
 Z 鳥       … 平和の使者の鳥が羽ばたくエピローグ
    (難易度:TとUは中級 VとYとZは初級)


募集要項

 

1.演奏会の名称:八月の祈り

2.主 催   :オラトリオ「鳥の歌」の会 代表 日下部吉彦

            (マネジメント 大阪アーティスト協会)

3.本番の日時 :2005年8月6日(土) 午後リハーサル、夜本番

4.場 所   :いずみホール

5.指 揮   :西岡茂樹(合唱指揮者、大阪府合唱連盟理事、日本合唱指揮者協会会員)

6.他の参加者 :児童合唱 豊中少年少女合唱団、八尾児童合唱団他

         ソリスト 森池日佐子ほか パイプオルガン 堀江光一 

7.参加資格  :関西圏の大学合唱団の団員(団としてではなく有志個人としての参加で結構です)

8.練習計画  :5月までは各自で自主練習

         6月〜7月上旬にかけて、大学生だけの合同練習

         7月中旬〜本番までの間に3〜4回の全体合同練習

9.楽 譜   :3000円(私家版) 各自でご負担ください

         暗譜の必要はありませんので、本番はこの楽譜をお持ちください。

10.参加費   :練習会場費が必要となります。参加者の大学の施設が無料で使えれば不要ですが、外部の施設を借りることもあるかと思いますので、その場合は、最大2000円程度の負担で収まるよう、調整をします。

11.チケット負担:ノルマという形はとりませんが、できるだけ販売の協力をお願い致します。

         聴いてくださる方がいなければ、せっかくの演奏が惜しいです。

12.申込方法  :大学名、参加者(氏名、学年、パート)を、竹森または丸橋まで、できるだけ早めにメールで送ってください。

13.申込締切  :第一次締切 3月末 その後、追加募集することも検討します。

14.お問い合せ先:竹森または丸橋の上記のメールアドレスまでお願い致します。

 

 

 

テキスト ボックス: 若い歌声で地球の未来を切り開こう!

 終戦後60年という記念すべき年の8月6日という記念すべき日に、関西の音楽家による平和の祭典が開かれます。当初は一般の合唱団でやろうということでしたが、私は、是非、若い人達に参画してほしいと思い、去年、大きな感動をいただいた関混連にお話をしました。残念ながら種々の事情から関混連としては受けていただけませんでしたが、去年の竹森理事長と丸橋技術委員長が、「それなら有志でやりましょう」と言ってくれたことに感激しました。「蜜蜂と鯨」との苦闘は無意味でなかったと。
 この企画は、特定の政治や宗教などと結びついたものではありません。戦争の悲惨を伝え、平和の大切さを心から願う音楽家による自主企画です。中心となって活動して来られたのは、関西合唱連盟会長の日下部吉彦先生と作曲家の尾上和彦先生です。
尾上先生は、この曲を書くために、長期間にわたり広島に滞在され、原爆ドームとその周囲を流れる川を見ながら書き上げられたそうです。その執念が壮大なオラトリオ「鳥の歌」となって結実しています。
素晴らしい曲ですが、技術的にはそれほど困難な要素はありません。大学合唱団の皆さんなら比較的、短期間で歌えるようになると思います。
 関西の大学生の力を結集して、いずみホールから世界に向かって平和の歌を発信しましょう!
皆さんの参加を心からお待ちしております。

西岡茂樹(shigeki.nishioka@nifty.ne.jp)