関西大学グリークラブ 第53回定期演奏会 プログラムノート  2012年1月15日 

メッセージ


合唱の力を信じて

音楽監督 西岡茂樹

本日は、関西大学グリークラブの第53回定期演奏会にご来場くださいまして、誠にありがとうございます。
今年の定期演奏会のプログラムを構成するにあたっては、東北大震災のことを抜きにしては考えられませんでした。春頃は、全国的に自粛ムードが漂い、歌なんて歌っていていいんだろうか、と自問を繰り返していました。そんな時、東北の合唱団の知人にこう言われました。「今、こちらはとても合唱ができる状況ではありません。しかし、いつか必ず音楽が必要となる時が来ます。どうぞ、そちらでは自粛などせず、どんどん歌ってください。そしてその時に、ほんの少しでも東北のことを思ってくだされば、それで十分です。」この言葉に勇気づけられ、2011年を歩んできたように思います。

「つぶてソング」の詩を書いた和合さんは、私も親しい間柄だったので、本当に心が痛みました。この曲を歌うことについては、当初、学生諸君には戸惑いがあったようですが、練習が進むにつれて、それを克服してきたように感じます。それだけ優れた本物の歌曲であるという証だと思います。新実先生の男声編曲が間に合わなかったのが残念ですが、力強いユニゾンもまた合唱の魅力であることを再発見していただければと思います。

さて、関大グリーは、相変わらず団員不足に悩んでいますが、今年は元気な一年生を大勢迎えることができ、近年稀に見るほどの活気に満ちています。しかし、一方で一年生が過半数を占めるということは、演奏力という意味では甚だ未熟であります。お聞き苦しい点も多々あろうかと思いますが、団員一同、心を込めて、全力で歌いますので、どうか暖かく応援してやっていただけますよう、お願い申し上げます。