第42回定期演奏会のご案内

第42回定期演奏会のご案内

拝啓、あざやかな緑の若葉に陽の光がまぶしく揺れる季節となりました。 皆様にはお健やかにお過ごしのことと拝察申し上げます。 日頃は豊中混声合唱団に格別のご指導とご援助を賜りまことにありがとうござ います。 おかげさまで合唱団創立60周年を迎えることが出来ました。これも日頃さま ざまなご支援をいただいている皆様のおかげと合唱団員一同、心から感謝申し 上げている次第でございます。

さて、豊中混声は来る7月6日(土)に第42回定期演奏会を開催いたしま す。 今年の演奏会は60周年記念として委嘱曲「銀の矢ふれふれ〜縄文讃歌〜」を 初演いたします。 この曲は合唱団の音楽監督 須賀敬一が、先年大阪にて開催された国民体育大 会において役員を務めた際にご厚誼をいただいた、作曲家の鈴木英明先生にお 願いして書いていただいたものです。テキストは詩人野呂 昶先生が八ヶ岳山 麓に広がる縄文遺跡において書かれた縄文詩集「銀の矢ふれふれ」によってい ます。近年、日本各地で次々と発見、発掘された遺跡の調査や新たな研究成果 によって森の民、縄文の人々の平和な世界や豊かな文化が見直され、むしろ現 代人が忘れ去っている大切なものを、あらためて思い起こさせるきっかけとも なっていることはご承知の通りです。 演奏時間約1時間に及ぶこの曲は、縄文の人々のよろこび、かなしみを生き生 きとよみがえらせ、祈り満ちた営みに思いをいたすことが出来る名曲に仕上が りました。 初演にあたり、すばらしい演出者、共演の方々のご協力をいただいて、総監督 須賀敬一のもと常任指揮者 西岡茂樹の指揮で合唱団の総力をあげて取り組む ことにいたしました。また、芸術文化振興基金の助成もいただくことが出来ま した。 60周年記念事業に誠にふさわしい曲が出来上がり、演奏できますことは合唱 団員にとりまして何にも替え難い喜びとなっています。

このほか一柳 慧作曲「ふるさとの星」と??田三郎作曲「典礼聖歌」を演奏い たします。

一柳 慧先生は西岡が近年特にご交情をいただいており、その作品に意欲的に 取り組んでおります。「ふるさとの星」は4曲から構成されている組曲で、昨 年の合唱コンクールでその中の「ふるさとの星」「じゃあね」を演奏致しまし たが今回あらためてコンクールの時の共演者のご協力を得て、4曲全体の演奏 に取り組むことにいたしました。

「典礼聖歌」は須賀の指揮で??田聖歌のまたとないオルガニストを共演者にお 迎えして演奏いたします。須賀は最近各地で取り上げられる「典礼聖歌」の演 奏に指揮者として招かれ、歌う人びとと聞く人びとに深い感動を呼び起こし、高田先生が日本に残された新しい音楽の伝道者としての役目をはたしていま す。高田三郎先生の数多い一般の合唱名曲だけでなく、あえて「典礼聖歌」を 歌いたいと願ったのは、先生がご存命のとき指揮し示してくださった深い祈り の心に、私たちもまた心から感動し、高田先生への感謝の思いを表したいと 願ったからにほかなりません。

ご多忙のことと存じますが、60年の伝統のうえに新たな歩みをはじめた合唱 団が総力をあげて取り組む60周年記念演奏会に、是非ご来場賜りご高評くだ さいますようご案内申し上げます。 敬具

2002年5月 豊中混声合唱団団長 新家 守